AWS IoT TwinMaker で既存の静的シーンを動的シーンに変換してみた
こんにちは、製造ビジネステクノロジー部の若槻です。
今年 6 月に AWS IoT TwinMaker に動的シーン (Dynamic Scene) 機能が追加されました。
機能のドキュメントページは以下になります。
動的シーンにより主に以下の機能が提供されるとのことです。端的に言うとデータに応じて 3D シーンが動的に変化させられるようになったということです。
- 3D シーンがナレッジグラフクエリに基づいて動的にレンダリング可能となる。
- Grafana またはカスタムアプリケーションで読み取り専用のシーンビューアーを使用すると、30 秒間隔でシーンの更新を取得可能となる。
今回は、AWS IoT TwinMaker で既存の静的シーンを動的シーンに変換してみました。
試してみた
プライスモードの確認
AWS IoT TwinMaker では以下の 3 つのプライスモードがあり、AWS アカウントおよびリージョンごとに設定できます。
- basic(ベーシック)
- standard(標準)
- tiered bundle(階層型バンドル)
動的シーン機能がサポートされているのはstandard または tiered bundle プランのみです。
今回検証に使用した AWS アカウント(東京リージョン)ではプライスモードは既に standard となっていたので、このまま変更せずに使用します。
変換前の静的シーンのレンダリングの確認
まずは、AWS IoT TwinMaker で作成した既存の静的シーンを確認します。
下記のように AWS IoT TwinMaker Sample を使用して作成した Grafana ダッシュボードのシーンビューアーで既存のシーンがレンダリングされ、利用可能となっていることが確認できます。
スクリーンショットから見切れてしまっていますが、右下のミキサーのシーンを今回は動的シーンに変換してみます。
静的シーンから動的シーンへの変換
AWS IoT TwinMaker のマネジメントコンソールで変換を行いたいシーンを開きます。Settings タブで Convert scene セクションを展開すると設定メニューがあります。
Convert scene をクリックします。
ダイアログが表示されます。元に戻せない操作であるという警告が表示されます。了承したら Confirm をクリックします。
ここで、Confirm をクリックしたらセキュリティトークンが期限切れであるというエラーが表示されました。これは IoT TwinMaker のシーンコンポーザー画面ではよくあることなので、ブラウザ画面をリロードして再度操作を行います。
2 回目は変換に成功しました。
変換メニューに戻ると、不可逆の操作なので Convert scene ボタンがクリックできなくなっていますね。
変換後の動的シーンのレンダリングの確認
再度 Grafana ダッシュボードを開いて、変換したミキサーのシーンを確認すると、シーンビューアー上で正常にレンダリングされなくなってしまいました。
ブラウザのコンソールを開くと https://api.iottwinmaker.ap-northeast-1.amazonaws.com/queries/execution へのクエリ実行の失敗が記録されまくっていました。
やはり動的シーンはナレッジグラフクエリと合わせて実装する必要があるようです。
シーンの新規作成時には動的シーンを選択できる
今回は既存の静的シーンを動的シーンに変換してみましたが、新規にシーンを作成する際にはシーンの種類を動的と静的のいずれかから選択することもできます。
おわりに
AWS IoT TwinMaker で既存の静的シーンを動的シーンに変換してみました。
3D シーンをシーンビューアー上で動的に動かすことができる機能は下記の re:Post の投稿のように長らく待ち望まれていた機能だったのでようやくという感じです。(今までは IoT App Kit でフロントエンド側の実装で何とかするしかありませんでした。)
しかし実際に利用するとなると静的シーンの時と比べて追加の実装が必要となります。この辺りの実装サンプルが AWS 公式から提供されると嬉しいのですが今のところ無いようです。公式ドキュメントの記述もまだ充実しているとは言えないので、手探りで実装方法を見つけるか、実装サンプルが出てきたらまた共有したいと思います。
以上